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ブログ

2021.May.8〔Saturday〕

“おこげ”

昨日、授業のなかで、ある生徒さんのことばに、いろいろ教えてもらいました。

 

「母さんのチャーハンには、こげがある。」

その生徒さんは、屈託のない笑顔で、とっておきの秘密を、私におしえてくれました。

それと同時に、母の日の話題に。

「何かあげるの?」と聞くと、色々な“計画”をお話してくれました。

その“ナラティブ”には、実際どうするかといった“トリビュアル”なことの枠をこえた、“きもち”がこもっていて、とても穏やかなこころ持ちにさせてくれました。

チャーハンのこげについて、婉曲的にさらに聞くと、「最初のころは気がつかなかったけど、だんだんと苦く思って」とのこと。

それは、“こげ”という語彙を習得したからなのか、味覚から生じる“きづき”なのか。

成長の過程で、言葉やメタファーがこの世界を認識することを手助けしてくれる場合もあれば、直観を邪魔することもあります。

いずれにせよ、その生徒さんが、30代、40代になって、比喩的な意味でも味覚的な意味でも、“にがみ”を肯定的な趣向として感じるようになったとき、今日話してくれた秘密は、その本性として、“くるしみ”を背負いながら生きる人間の希望を、照射する光となる感動を、予見させてくれました。

 

あたたかい熱のないところに、“こげ”は生まれません。

一見肯定的なものも一見否定的なものも、先天的にその一時的な性質を賦与されているものではなく、時間・空間・立場・機会によって、その様相は変化・生成を余儀なくされ、そうした諸様相は、両義的な人間の一様相を照らしては陰をつくり、その陰にときおり光がさしこみ…。

人生の機微に感じ入る契機としての比喩的な”苦み”に加えて、薬の苦みを感じることを余儀なくされる状況に至って、生徒さんからいろいろなことを教えてもらえることの意義を、あらためて感じさせてもらっています。