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2022.Dec.23〔Friday〕
おもしろい“誤答”―その3―
こんにちは、塾長の太田です。
ロートレアモン伯爵の詩の一句である「解剖台の上のミシンと蝙蝠傘との偶然の出会い」の対極をなすのが、「学校や学習塾の机上のテスト」と言えるかもしれません。
現実世界のさまざまな複雑な事象は、その属性を限りなく挙げたところで、解に到達したことには到底なりえませんが、テストに関しては、その属性を列挙していくことは同語反復に帰するものという言い方もできるのではないでしょうか。たとえば、解があるもの。また、現実をなりたたせている複雑な諸条件を極限まで省く、“無菌空間”のような設定の上に成立しているもの…。
ただ、「学校や学習塾の机上のテスト」に向かわざるをえない場合もあることのように、特定の目的に自分を合わせていくことが必要とされることもあります。以下で紹介させていただくのは、そうしたなかでの話です。
生徒さんを指導させていただいていて、ときどき、おもしろい“誤答”に出会うことがあります。
テストでは、条件が確固たるものとして設定されている(それがその“ゲーム”のなかでのルールとなっている)場合がほとんどであるため、問題作成者のレールから逸脱した解答は、残念ながら、×をつけざるをえないことがほとんどです。
ただ、生徒さんが意識的にそうしたと思われない場合でも、思いがけない視点が提示された!と感じさせてくれる解答があります。
このシリーズでは、そうした“誤答”を紹介していきたいと思います(そうした“誤答”に出会ったときに、随時、紹介させていただきます)。
今回は、英語の単語(動詞の語形変化)の問題での“誤答”について。
折しも、先程のブログで紹介した音楽好きの生徒さんの解答です。
鳥が飛んでいる絵と英文が載っていて、絵と文章の脈絡に適する英単語を考えて、適切なかたちで語形変化させた動詞を答える問題。
鳥が飛んでいる場面に関して、その生徒さんの解答は、frying(“正しく”はflying)。
クリスマスシーズン真っ只中にあって、チキンを提供するお店も大忙し。
鳥が自然と揚げられたり、自分を揚げたりすると、バイトいらずで、助かる側面もあるかもしれません(ここでは、自動詞・他動詞のちがいは脇に置いておくこととして)。
時節と対象が合致した、興味深い“誤答”に、私の気分も自然とあがりました。
ちなみに、その生徒さんは、先日、炎がゆらめいているイラストが載っている服を着ていました。
やはり、冬期講習に向けて、私の音楽熱が再燃しないか、少し心配です。