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ブログ

2019.Apr.12〔Friday〕

“スペーストリップ”、“タイムトリップ”

こんにちは、塾長の太田です。

先日、修学旅行から帰ってきたばかりの中学3年生の男の子から、生八つ橋を頂戴しました。何だか、バレンタインチョコを頂いた感じで、とてもうれしく思いました。

塾での仕事をさせていただいていると、旅行をする時間を取ることはなかなか難しいです。そうした事情もあって、さっそく生八つ橋をいただきながら、何だか京都に旅行に行ったような感覚を楽しみました(京都に以前行ったときの回想をしながら)。

“随想”から派生することに関連して、私が好きな作家の一人が、内田百閒。

室生犀星をして、「随筆を以ってしたら天下彼の右に出るものはあるまい」と言わしめたほどの随筆の名手として知られています。

『ku:nel』という雑誌の2009年7月1日号で、内田百閒の魅力を紹介した文章の中で、矢吹申彦さんというイラストレーターの方が、「随筆とは、いかに面白いネタを集めるかではなく、そこにある何でもない花瓶について、どれほど面白いことが書けるかということ」とおっしゃっています。

私に“随筆”の才能はありませんが、“随想”を楽しめるように”随想”の力は磨きたいと感じます(“随想”ということばは、「あれこれと心に浮かぶままに思うこと」に加えて、「そうしたことを書きとめた文章」も含むようですが、ここでは前者のみの意味において)。まだまだ私の場合は、一つのモノ・コトを目の前にして、“スペーストリップ”できている訳ではなく、ただ“space out”(ぼんやりする、ボーッとする)している領域から出ていません。

さて、お土産をもって来てくださったその生徒さんは、今回の修学旅行のバスの席順を決めるという大役を果たしたそうです。ある意味、それは、地雷をふまないように先頭をきって道を進み、身を投じて“安全な”道程を指し示す、汗も滴る難題です。

バスと言うと、つい回想することがあります。

小学生の修学旅行のときのバスガイドさんが、東北出身の方で、旅の最後に方言を交えて歌ってくださった「リンゴの唄」。ませた子供だった私は、淡い恋心にも似た感情を抱きながら、行ったことのない場所の寒さとともにある情景を想像したときに湧く寂しさとともに、その歌を聴きました。

また、小学生のあるとき、東京の学校から小学生女子合唱団の方々が来てくださり、となりのトトロの主題歌などを体育館で歌ってくださいました。その中に、可愛らしい子がいて、帰宅後、合唱団の方々を乗せたバスを、自転車で追いかけた記憶があります。

いくら少年のときのことであったとは言え、「ストーカー」という言葉や概念が定着した現在では、このことの中には危うさも潜んでいるかもしれません。

それを弁護する訳ではありませんが、いつぞやの新聞記事には、先程も出てきた詩人・室生犀星や哲学者・中村雄二郎の女性への執着について書かれていました(細かい記述は覚えていませんが、気になった女性が何を食べているかまで知ろうしたことや、ある看護師さんに執着したことなど)。この事実は、その危うさを煙にまいてくれるかもしれません…。

それはさておき、それぞれの生徒さんには、方言とはいかないまでも、ある特定の時間・空間の中で形成されたそれぞれの考え方とその発露のされ方があります。そうしたことを“ききとれる”ように“随想”し、それを指導で“かたち”にできるように訓練しなければと考えます。

また、“純真さ”と“執拗さ”は紙一重ですが、少年であったあの日バスを追いかけたように、それぞれの生徒さんに向き合うためにそれぞれの生徒さんのことを知るべく、それぞれの生徒さんを追いかける中年でありたいと感じます。