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個別指導塾|安曇野市穂高|Minori

ブログ

2023.Jan.31〔Tuesday〕

おもしろい“誤答”―その3―

こんにちは、塾長の太田です。

ロートレアモン伯爵の詩の一句である「解剖台の上のミシンと蝙蝠傘との偶然の出会い」の対極をなすのが、「学校や学習塾の机上のテスト」と言えるかもしれません。

現実世界のさまざまな複雑な事象は、その属性を限りなく挙げたところで、解に到達したことには到底なりえませんが、テストに関しては、その属性を列挙していくことは同語反復に帰するものという言い方もできるのではないでしょうか。たとえば、解があるもの。また、現実をなりたたせている複雑な諸条件を極限まで省く、“無菌空間”のような設定の上に成立しているもの…。

ただ、「学校や学習塾の机上のテスト」に向かわざるをえない場合もあることのように、特定の目的に自分を合わせていくことが必要とされることもあります。以下で紹介させていただくのは、そうしたなかでの話です。

生徒さんを指導させていただいていて、ときどき、おもしろい“誤答”に出会うことがあります。

テストでは、条件が確固たるものとして設定されている(それがその“ゲーム”のなかでのルールとなっている)場合がほとんどであるため、問題作成者のレールから逸脱した解答は、残念ながら、×をつけざるをえないことがほとんどです。

ただ、生徒さんが意識的にそうしたと思われない場合でも、思いがけない視点が提示された!と感じさせてくれる解答があります。

このシリーズでは、そうした“誤答”を紹介していきたいと思います(そうした“誤答”に出会ったときに、随時、紹介させていただきます)。

今回は、国語の漢字での“誤答”について。

「おとなしくる」に該当する漢字を書く問題。

ある生徒さんの解答は、「練る」。

「寝る」が模範解答ですが…。

ただ、私語禁止の練り物工場という設定かもしれない。

また、考えを練るということかもしれない。

ちょうど、その解答があった少し前に、隣の女子に何料理が好きか聞いて、タイ料理といった話になっていました。

そのとき、想起されたのが、タイスキ。

タイ料理を代表する鍋料理で、日本のすき焼きからヒントを得て名付けられた料理だと言われているようです(実際は、すき焼きというよりも寄せ鍋やしゃぶしゃぶ、水炊きに近い料理ということです)。

私がタイでタイスキを食べたときは、具が練り物ばかりだった印象が…(自家製の練り物を出されている料理屋さんの練り物は本当においしいのですが、そのとき食べた練り物は…)。

国語の漢字や英文法問題は、文脈が不確定な問題もあるため、時々、予期していなかった解答が出てきます。

タイムトリップ・スペーストリップ。生徒さんが、忘れかけていた記憶を呼び起こしてくれたり、まだ見ぬ世界へ連れていってくれたりしているかのようで、とてもありがたく思っています。