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個別指導塾|安曇野市穂高|Minori

ブログ

2023.Apr.25〔Tuesday〕

根源(“根元”)に響く、ベースの音色

こんにちは、塾長の太田です。

先日、この春に卒業された生徒さんのお母さまが、その生徒さんの弟さんの体験授業の打ちあわせにいらっしゃいました。

色々とお話をうかがっているなかで、その生徒さんが、高校で軽音楽部に入り、ベースを担当することになったのこと。

思春期のころは、ある意味で目立つ部分もあるギターに目がいく傾向が少なからずありますが、精力が枯れ果てた私のようなおっさんに、根っこから潤いを与えてくれるものがこの世界にあるとしたら、それは、ベースのグルーブ感とその音色です。

そうしたベースの音色が、気づかぬうちに私の“根元”に“水分”を与えてくれた演奏として(YouTubeを介して鑑賞したものとして)、記憶に残っているパフォーマンスは、次の曲です。

Jeff Beck  Tal Wilkenfeld – Crossroads Festival 2007 – Cause We’ve Ended As Lovers

私が小学5年生から高校3年生までドラムを習っていたときに、課題曲としてあったのがJeff Beckのスキャッターブレイン( Scatterbrain)。

ときは飛躍して、上記の曲のベーシストは、タル・ウィルケンフェルド氏(Tal Wilkenfeld)。当該演奏時のドラマーは、言わずと知れたヴィニー・カリウタ氏(Vinnie Colaiuta)。

King Crimson – Starless

私が、思春期で陶酔したバンドの一つ“キングクリムゾン”。ベーシストは、トニー・レヴィン氏(Tony Levin)。醸し出すその雰囲気から、常に忘れることができない“映像”です。

One Fine Morning[1 2] (Live) – THEATRE BROOK

ベースは、中條卓氏。醸し出すその雰囲気から、常に忘れることができない“映像”です。

Nights Over Egypt – Melvin Lee Davis

ベーシストのメルヴィン・リー・デイヴィス氏(Melvin Lee Davis)が、Incognito(インコグニート)の曲(Nights Over Egypt)を弾いた映像。大学生のときに、渋谷の音楽店に行ったときにかかっていた曲に魅了され、店員さんにその曲が何か聞いた思い出があります(その曲が、Incognitoの“Black Rain”)。その体験がなかったら、この映像をみることもなかったと思われます。

eastern youth -Tour Archive, 2020 12 5 Tokyo Shibuya O-EAST-

20代後半から30代前半のときに、私の救いとなってくれた曲をとどけてくれたバンド(CD越しですが)。上記の演奏時のベーシストは、村岡ゆか氏。上記映像の0:00:50から0:01:30の間に、思春期のことが走馬灯のように私の脳裏を駆け巡ります。

精根尽き果てた私の“根元”も、ベースを使いこなす人が発する色気(それが単純にベースの音色に由来するか、音色を含めたパフォーマンス全体に由来するのかは定かではありません)には反応します。

ベースをとりまく言説に限って申しあげれば、比喩が文字通り、言葉をこえて感覚に直結しているといえるかもしれません。

中学理科に関する一コマを歪(猥)曲化して表現することが許されるとするならば、精根枯れ果てて、種子植物的存在ではない存在になりつつある私は、地下に潜む“茎”に振動がつたわるシダ植物的な存在であることを認識する次第です。ただ、根・茎・葉の区別があるという意味では、全てのちがいを超越することができないといった意味で、“識別”から自由になれない存在にとどまっているという解釈も可能です。

いずれにしても、ベースという魅惑的な楽器を手にされたその生徒さんが、みずからに秘められた力を感じて、今生きている諸環境に根づくものに向き合い、そうした根にまとわりつく“分別”・“その分別が形成されてきた社会・経済・政治・歴史的な要因”・“そうした諸々のことを分析したときに新たに提示することのできる視点”を分析したうえで、これまで当たり前とされてきた“識別”を超え出て前に進んでいく根源的な力を、勉学や音楽をつうじて、身につける姿を想像し、私もその生徒さんを追って前に進んでいく覚悟をもつ必要性を、あらためて感じた次第です。