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個別指導塾|安曇野市穂高|Minori

ブログ

2019.May.15〔Wednesday〕

“白T”

こんにちは、塾長の太田です。

かなり前のことになりますが、あるファッション雑誌を読んでいて、ファッション業界の方が「理想とするのはHanes(ヘインズ)のTシャツを着ていても“スタイル”を感じさせること」と仰っていたことが目に留まりました。

これは、実体を伴った”本質”でもあり、“本質”を表す”“比喩”でもあります。私の場合は、後者の解釈でないと、とんでもないことになります。Hanesの白いTシャツを着て外に出ている自分を想像すると、そこにはおぞましい光景が待っています。“スタイル”云々の前に、中年の私は、体を鍛えないと出発点にも立てません。

ここで、あるとき別のファッション雑誌を読んでいて、「自由が丘クリニック」理事長の古山登隆氏が仰っていたことを思い出します。終戦から20世紀末までの日本は「横並びの価値観が支配的だった」のに対し、21世紀は「覚悟」の時代になるとの分析のもと、美容面においても同様の状況があり、これまでは、お腹が出ていようが「それで年相応だ」と容認されてきたのに対し、これからは若さを維持する「覚悟」が大切な時代だと仰っています。氏が若い頃憧れた世代の代表としては、「永遠の若大将」加山雄三氏を挙げられていました。先程の話に戻ると、いずれにしても、私が白いTシャツを着て外を出歩いた場合、異口同音なのは「裸の大将」。少なくとも、人目を避けるための“赤い傘”が必要です。

さて、話を本質的なことに戻しますと、Tシャツと言えば、「コムデギャルソン」オーナーデザイナーの川久保玲さんの次の言葉が印象的です。

「ファッションの分野に限らず本当に個性を表現している人は、人とは違うものを着たり、違うように着こなしたりしているものです。そんな人は、トップモード(流行の最先端)の服でなくても、Tシャツ姿でも『この人は何か持っているな』という雰囲気を醸し出しています。」

さらに、次のようなことも仰っています。

「無駄や失敗があっても、外へ自力で行って、なるべくたくさんの人と競争しないと、新しい力は生まれません。」

“スタイル”形成と“失敗”ということに関しては、「ENGINEERED GARMENTS」デザイナーの鈴木大器氏は、次のようなことを仰っています(『大人になったら、着たい服 2014秋冬』主婦と生活社p.92より引用)。

仕入れをするようになって、「どうしてコレがいいのか」と考えるようになりました。そうやって少しずつ、人の意見ではなく、自分の目で探し始めたんです。「何が」いいかがわからなければ、人には売れませんからね。自分なりの「選ぶ目」を持つための唯一の方法は、トライ&エラーだと思います。買い物をして、着て、いっぱい失敗することだと思います。

 

さて、以上のことを、ある特定の目的をもった場としての当塾という文脈の中で自然と考えます。

「訓練のない個性は、野生にすぎない」という高田好胤氏の有名な言葉や、先日投稿した“闘牛と黒い布”というブログでお伝えしたように、ある特定の目的・役割をもった個別指導塾では、“スタイル”形成(別の次元へ自分を高めること、“変身”に近いもの)を最終目標としながらも、まずは“型”の習得を出発点に据えることが必要です。その上で、ある“スタイル”を持つようになるためには、“失敗”や“試行錯誤”が大切なことを先達から教えていただきました。

そのために、まずは、個別指導塾Minoriという場が、“失敗”を当たり前としそれを包みこむ(生徒さんが安心して“失敗”や“試行錯誤”ができる)場でなければと考えます。その中で、白いTシャツを着る“覚悟”をもって“外”に出るというのではなく、“覚悟”をもった人が“外”に出て“白T”をたまたま着たときに、その姿を目にした人が自然と憧れるといったような人を、生徒さんと共に目指すにはどうしたら良いか、試行錯誤を続けたいと考えます。