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ブログ

2019.May.21〔Tuesday〕

“巻き戻し”

こんにちは、塾長の太田です。

先日、中学卒業とともに当塾を巣立たれたある生徒さんが、高校英語受講で再入塾して下さいました。

約2ヶ月半振りの再会でしたが、随分大人になった感じがして、また来て下さったことをとてもうれしく思いました。有難いことに、高校英語を受講される生徒さんも少しずつ増えています。

さて、その生徒さん、軽音楽部に入ってドラムを始められたということで、偶然にも、私も小学5年生から高校生まで、音楽教室でドラムを習っていました。私がずっと欲しいまま買えないでいる電子ドラムを購入されたということで、羨ましく思いつつ、ドラム談義に花が咲きました。

私はドラムの講師の方に恵まれ、当時東京でプロとして活動されていた方が週に何回か松本まで通って下さっていました(現在でもプロとして活躍されています)。

その先生から高校生のときに頂いたのが、イギリスのプログレッシブバンド『キングクリムゾン』の「Fracture」が入ったカセットテープ。

今の中学生・高校生は、目にしたことがないのはおろか、その存在すらご存知ないかもしれません。修正テープに付いているような回転軸(リール)が2つ付いていて、擬人化しやすいその形、懐かしく感じます。曲を聴き終わってまた聴きたくなったら“巻き戻し”ボタンを押してテープが巻き戻されるまで待ち、数曲入っている場合はちょうど良いところまで巻き戻すタイミングを見計らって何度も“巻き戻し”をしたり“早送り”を繰り返したりと、それは、今考えると信じられないような作業です。「Fracture」が入ったカセットテープも、分からない部分はその部分だけ聴いてはすぐに巻き戻し、また聴いてはすぐに巻き戻して、練習しました。今考えると、とてつもなく面倒な作業でしたが、その分、聴き逃すまいという集中力と傾倒力は養われたのではないかと少し想像します。

数ヵ月前、Youtubeで『キングクリムゾン』の曲を検索していたときに、2000年にドイツのボン(Bonn)で「Fracture」が演奏された映像を見つけました。バンドのギタリスト兼リーダーであるロバート・フリップ氏の格好良さに改めてノックアウトされました。ロックバンドのギタリストというと、前面に出て目立っている印象がありますが、椅子に腰掛けて演奏する姿は、何だか“禅僧”のようでもあります。上に挙げた演奏では、“静”と“動”が分かりやすく表現されていて、そのギャップが嫌らしさを感じさせずに、とてもクールです。

そんなロバート・フリップ氏、“禅問答”のような次のことを仰っています。

「テクニックを捨て去るインテリジェンスが必要だ」

この言葉が発せられた文脈が分からないため、勝手な解釈は禁物ですが、ただその分、様々な解釈をする誘惑にかられます。

技巧派の氏が言われていることなので、説得力もあります。

テクニックを捨て去るにはテクニックが必要ですし、テクニック以上に必要なものが何か考えさせられますし、「捨てる」ことで得られるものがあることは「断捨離」という概念を想起させますし、何かを身に付けたと思ったらすぐにそれを捨て去る勇気と覚悟がなければ前進・成長もないと自戒することもできます。

高校英語を受講して下さることになった生徒さんと話していて、混沌の中にも色々な可能性が広がる高校時代に頭の回転軸が巻き戻された感じがして、当時感じていた興奮を始めとする様々な感情が喚起されました。

ロバート・フリップ氏のことばを、私なりに勝手に解釈させていただいて、私は、一歩進んだと自分で思い込んだときに、常に“巻き戻し”を行って、スタート地点に戻るという作業を、テープが擦り切れて再生できなくなるまで繰り返さなければと思います。