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個別指導塾|安曇野市穂高|Minori

ブログ

2019.Nov.12〔Tuesday〕

藍色

こんにちは、塾長の太田です。

最近、頻繁に考えることがあります。

それは、黒色・白色と藍色を巡ることです。

 

この世界は、“お金”という“リトマス紙”を基盤としてできていて、その“リトマス紙”は、黒か白かを判定するもの。

塾を営む以上、その“現実”を常に直視しなければならないという視点は常にもっております。仮に、私が目指すものが、その“リトマス紙”が検知しない“化学反応”にあるとしても。

黒色は、格好良い色で、経年変化することにより、魅力を増す色であることは相違ありませんが、ときに、日本人の肌の色には合わず、日本人にとっては、“派手な色”と評されることもあります。

白色は、清廉潔白の象徴の色のようではありますが、これまた“派手な色”で、その白色がくすんだり黄ばんだりすることによって生まれる“魅力”は、一般的な“格好良さ”を判断する基準からは、遠く外れてしまうものであることに、相違ありません。

藍色は、染める素材・染め方・染める時間・使う染料・その後の洗う回数・着用回数・経年変化によって、実に多種多様な変化やグラデーションを魅せてくれるものではないでしょうか。

 

生徒さんそれぞれが持っていらっしゃる“藍色”。

“人工的な”着色料をもって、無理やり勝手なイメージで染めることはしないようにすることはもちろん、深い色になる時間は、それぞれの生徒さんによって異なります。

出来合いの絵の具の“チューブ”をひねることは簡単ですが、単一な色で染められた布は、呼吸する余地を失います。

 

上述したようなことを考え、悩んでいた最近、通って下さっているお二人の生徒さんの親御さんと面談をさせていただいたときに、勇気づけられることがありました。

お一人は、小学生の生徒さん。

私は、“良い”と判断しているペースでも、“一般的”な判断ではどうなんだろうと思い、入塾していただいた約2ヶ月経過した時点でさせていただいた、親御さんとの二者面談。

「この間は、“○○ができるようになった”と言って、得意気に帰ってきました。」とのお話に、何だか救われた気がいたしました。

また、中学3年生の生徒さん。

点数は少し伸びているものの、志望校にはもう一歩という状況の中で、私は心配しておりませんでしたが、親御さんの希望もあっての、親御さんとの二者面談。

「こちらに来るようになってから、表情が明るくなりました。」とのお話に、何だか救われた気がいたしました。

 

毎回の授業での私と生徒さんとの“セッション”においては、どちらが“染めて”、どちらが“洗いをかけている”のかは、正直わかりません。

ただ、生徒さんが、私のこころを洗ってくれていることだけは、確かです。

“染め”と“洗い”を繰り返していく中で、それぞれの生徒さんが本来持つ色が深みを帯びていくことを、祈り、その“セッション”に立ち会わせていただくことを、有難く思い、その職務を全うすることが、私にできることだと改めておもいます。